まもなく2017年が終わります。今年もいろいろありましたが、無事新年を迎えられることを皆様に感謝し、厚く御礼申し上げます。
年末は入院や緊急の重症患者さんが集まる傾向にあり、ひっくり返りそうなことも多々あるのですが、今年は継続の患者さんの診察はあるものの、比較的穏やかに過ごしています。この間にたまった仕事をやって、ちょっとゆっくりできたらと思います。
それでは、寒くなりましたが、風邪などひかれませんように。
よいお年をお迎えください。
汎白血球減少症の原因となるパルボウィルスはひどい下痢と嘔吐、そして免疫力が低下して亡くなってしまう病気です。もともと猫のパルボウィルスが犬のパルボウィルスに変異したそうで、非常によく似たものですが、犬-猫間でうつることはありません。
今回は猫のパルボについてお話します。このウィルスの一番の特徴は外の環境で非常に強いということです。たとえばパルボウィルスにかかった猫が道で便をしたとします。この便を水と石鹸とブラシでごしごしあらっとして、1年後も2年後も感染力をもったままそこにいます。唯一塩素系の消毒剤のみ、効果あります。
このバルボウィルス、まれに狭い範囲で局地的に発生しているようです。実際にあった話ですが、まず近所の野良猫が下痢や嘔吐をしてなっいました。だれかが、農薬をまいているとのうわさが出たりもします。
そして信じがたいことに、まったく外の猫と接触のない家猫が同じ症状を発症します。ここが最大の問題です。
流行している場所では高密度のウィルスが地面に撒きちらされていると思われます。そこをあるくと靴につきます。家に帰ると靴は玄関にありますが、猫も玄関に来るのでそこでうつります。ヘルペスや、白血病ウィルスならほっといてもいなくなりますが、外で頑丈なパルボならではのことだと思います。
これで大流行になるかとおもいきや、すーと消えてなくなります。実際測定したわけではありませんが、おそらく多くの外猫が抗体を持ってるせいだと考えられます。
そもそも伝染病の観点からすると70%のワクチン接種率で流行にはならないそうです。同じようなことが自然感染でおこっているのかもしれません。
ますます寒くなってきました。こういう季節は免疫力が落ちたり、空気が乾燥したりするので風邪などひきやすくなります。ノロウィルスなんかも冬の時期に流行します。手洗いうがいがやりどきな季節とも言えます。
ここで問題なのは、手洗いうがいが重要な予防であるのは間違いないのですが、ノロウィルスはなかなか頑丈で、石鹸やアルコールでもいなくなりません。ウィルスを殺す(不活化させる)のはノロウィルス用の消毒液、もしくは塩素系消毒液を使わなければいけません。
そして、猫の鼻かぜのウィルスであるカリシウィルスはなんとノロとそっくりで、カリシウィルスもノロ同様ノロ用の消毒液以上の殺菌力でないと効きません。手や服についたウィルスには石鹸や、アルコールもききません。これが伝染力の強い理由の一つです。
ちなみにノロウィルスの実験にノロウィルスそのものを使うと人が危ないので、人に害のないカリシウィルスを使うそうです。
ますます寒くなってきました。皆様いかがお過ごしでしょうか。風邪などひかれてませんか。
動物で風邪というと「猫の鼻かぜ」といわれている、猫ヘルペスウィルス、カリシウィルス感染症が代表的です。症状は鼻水、くしゃみ、眼脂、などいわゆる風邪の症状でパッと見て2つの区別はつきません。しいて言うならヘルペスの方が目と鼻の症所がひどい傾向にあるのと、カリシウィルスは口内炎ができるということです。
症状はにているのですが、ウィルスとしての生き残り戦略が全く異なります。まずヘルペスウィルスは人間の水ぼうそうと同じで、体に潜みます。外の世界では石鹸であらっても死んでしまう(ウィルスは失活といいます)弱いウィルスですが、体の中では神経に入り込み免疫の監視から逃れ、その間は無症状でおとなしくしています。しかしながら、その後体調がくずれて免疫が落ちたときに元気になり、症状がでます。人間の帯状疱疹に似た挙動です。
したがって、昔感染してたら1匹しか飼っていなくても風邪をひきます。
ちなみに人にうつしたり、うつされたりすることはありません。ご安心を。
日経新聞によると、京都の会社から犬のしつけアプリが今月7日から提供されねそうです。
体系や性格など10種以上の項目を記入することで飼い主にマッチした内容が配信されるしくみです。
飼育やしつけ、撮影アプリなどいろいろ出てますが、やってみるとなかなか楽しいです。
犬をしつけるということは、人が義務教育をうけて社会に出るのと同じように、犬が人間社会で幸せに暮らすために必要なことだと思います。
犬は、犬だから、何もしないと犬になります。噛んだり吠えたり、穴をほったりするのは犬としてごく当たり前の行為で、それをむやみにやめさせることは厳しい言葉で言うと虐待にあたります。しかしながら自由にやられると家の中では飼えません。問題行動になります。
だから、「トイレはここでしてね」。「吠えてもいいけど今はやめておいてね」。「噛むんだったらこれをかんでね」。「私はあなたに食事や寝床を提供します。安心して一緒に暮らしましょうね」。と教えてあげると、犬はそれに答えて最高のパートナーになってくれます。口で言うほど簡単ではないですが、困ったときは、私どもも、なにかお力になれると思います。よかったらお尋ねください。
さみしいかぎりです
年末年始は統計上異物による腸閉塞ふえるようです。特に若い犬。
たぶんイベントが多い時期なので、誤って食べてしまう機会が多いのだと思います。
ご注意ください。
皆様師走も走るという今日この頃いかがお過ごしでしょうか。
新年より終了時間が変わります。ご注意ください。
午前12時→午前11時45分
午後8時→午後7時45分
ご不便をおかけしますが、従業員の健康のため、しいてはよりよい獣医療を皆様に提供するため、なにとぞご協力お願いいたします。